“日本においてはモバイル通信業者に、28GHz帯の無線免許が5G用として付与されています。この28GHz帯を含む電波は「ミリ波」と呼ばれており、5Gの初期段階から世界的にミリ波を有効に使っていくことが決まっています。ここではミリ波についてまとめてみましょう。
【28GHz帯を含む電波「ミリ波」とは?】
電波というのは、周波数帯域ごとに区分して呼び名があり、ミリ波は周波数が30GHzから300GHzの電波です。波の山と山の間の長さである波長は1㎝~1mmです。この波長がミリ単位のため、呼び名が「ミリ波」と呼ばれているのです。5Gに割り当てられている28GHzは数値的には厳密にいうとミリ波ではありません。しかしモバイル通信では便宜上ミリ波の一部とされているのです。
【世界の5Gミリ波】
世界的には約20カ国で24~29.5GHzが5Gに割り当てられています。またアメリカでは37~40GHz、47.2~48.2GHzも5Gに割り当てられているため、高い周波数のミリ波を含めて、たくさんの国で割り当てられる可能性があるのです。
日本においては、モバイル通信事業者(ドコモ、ソフトバンク、au、楽天モバイル)の4社に各400MHzずつ、ローカル5Gに900MHzの帯域が割り当てられています。また5G専用の周波数帯としてさらに3.7GHz帯、4.5GHz帯の電波も割り当てられている現状です。
【ミリ波の現状とは?】
日本では5G用にミリ波が使用できる状況ではあるものの、実際にはまだまだ活用されている現状ではありません。ミリ波対応の基地局は4つのモバイル通信事業者合計で15000局打たれているものの、これらを通っているトラフィックは全てのモバイルトラフィックのわずか0.2%程度なのです。なぜミリ波の活用が進まないのでしょうか?その理由は以下の通りです。
<カバレッジが限局的>
ある程度の数の基地局が打たれていても、実際のカバレッジは限局的です。そのためミリ波の電波はなかなか掴むことができないのです。
<ミリ波をサポートしているスマホが限定的>
ミリ波をサポートしているスマホが限定されている現状があります。2022年に日本国内で販売されたスマホのうち、ミリ波をサポートしているのは
全体の約5.2%にとどまっているのです。ちなみに2023年9月に発売したiPhoneの最新機種であるiPhone15シリーズにおいても、日本で流通する機種に関してはミリ波をサポートしていないのです。”