人間の体には、一人ひとり異なる特徴を持つ部位があります。その”個人を特定できる人体の特徴”を生かして、「AさんがAさんである」ことを見分けるのが「生体認証」です。よく知られているものでは指紋を使った「指紋認証」がありますが、それ以外にも手のひらの静脈のパターンを使った「静脈認証」、声の周波数を分析する「声紋認証」などがあります。DNA鑑定も生体認証と言っていいでしょう。今回、富士通がスマートフォンに採用した「虹彩認証」とは、どのような技術なのでしょうか? 簡単に説明すると「人間の瞳にある虹彩を使って認証を行う技術」です。虹彩は、眼球の黒目の中心にある瞳孔の周囲の部分を指します。瞳孔は黒目の中心にある「穴」で、その周囲が虹彩です。虹彩は、瞳孔を拡大縮小させることで目から入る光の量を調整する役割を担っており、瞳孔を動かすための細かい筋肉で構成されています。黒目をよく観察するとわかりますが、この細かい筋肉が模様のようになっていて、一人ひとり異なります。この模様で個人を判別するのが「虹彩認証」なのです。ちなみにこの虹彩の模様は、2歳頃からほとんど変化せず、指紋のように年を経て薄くなったりもしません。そして、この虹彩認証は、非接触で判別できる点も特徴だといいます。