米ラスベガスで開催されている展示会「CES 2016」のカシオ計算機のブースは、CES会期前日に発表されたAndroid Wear「WSD-F10」をブースの前面に押し出しています。「WSD-F10」は腕時計型の製品ですが、開発しているのはカシオの腕時計部門ではなく、新規事業開発部という新しいチームです。新チームとはいえ、「G-SHOCK」など、カシオが持つ腕時計のノウハウはもちろん盛り込まれていて、カシオ社内のさまざまな部署からの力を結集して開発を進めている端末です。「WSD-F10」の右側面には3つのボタンがあります。カシオの腕時計としては少ないくらいですが、Android Wearとしてはやや多いです。ほとんどのAndroid Wearはボタンがひとつで、3ボタン搭載モデルはあまり例がないのです。中央のボタンが通常のAndroid Wearと同じホームボタン。上が「TOOL」、下が「APP」という独自のボタンとなっています。TOOLボタンはWSD-F10が内蔵するコンパスや気圧計などを呼び出していて、切り替えられるようになっています。何度も押して切り替える仕様は、G-SHOCKなどでは左下に配置されていたボタンに近いものです。カシオの開発担当者はこの配置について「左下にボタンを割り当てられなかったので、一番押しやすい右上にした」と説明しています。左手に装着し、右手でつまむように持ったとき、指で力を入れやすい位置というわけです。